常念山脈(長野) 大天井岳(2922.1m)、東天井岳(2814m)、横通岳(2767.1m) 2022年10月1日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 0:33 駐車余地−−0:40 林道終点−−1:30 大滝−−2:09 笠原沢−−2:50 最終水場−−3:25 常念乗越−−4:43 東天井岳直下−−5:25 大天荘−−5:31 大天井岳 7:55−−7:59 大天荘−−8:29 東天井岳直下−−8:33 東天井岳−−8:37 縦走路−−9:01 2690m鞍部−−9:14 横通岳 10:03−−10:22 常念乗越−−10:39 最終水場−−11:00 笠原沢−−11:23 大滝−−11:49 林道終点 11:52−−11:56 駐車余地

場所長野県松本市/安曇野市/大町市
年月日2022年10月1日 日帰り
天候快晴
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場一ノ沢林道の駐車余地を利用
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
GPSトラックログ
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コメント久々に土日両日とも安定した好天予報で、時間がかかる大天井岳に今年初めて向かった。今シーズン初めての秋らしい天気で早朝の冷え込みは0℃近くまで下がって今シーズン初めて降霜と霜柱を目撃。昨日からの好天で大天荘テント場は大賑わい。乾いた秋の空気に覆われて奥日光まで見通すことができた。紅葉の進みは遅く、このままでは来週の3連休でもまだ紅葉のピークに至らないだろう


中天井岳手前から見た奥日光〜足尾山塊の山々。日の出前のシルエットで明瞭に見えた


金曜夜の駐車余地。先客がいるのは珍しい 林道終点の公衆トイレ。人感センサで自動点灯する
オリオン座 常念乗越。計画通り出発から3時間
午前3時半だが活動開始している 標高2500m強で森林限界突破
松本の夜景 2640m鞍部。ハイマツは乾いていた
二俣小屋跡の石垣 午前5時13分の東の空。日の出まで約30分
中天井岳手前から見た奥日光〜足尾山塊の山々。日の出前のシルエットで明瞭に見えた。この位置からは日光白根は四阿山に隠れている
午前5時15分でかろうじてライト無しで歩ける明るさに 中天井岳直下から見た大天井岳
大天荘とテント場。金曜夜明けでこんなたくさんテントがあるとは。金曜日に休暇を取得しての入山者が多くいたようだ
大天井岳山頂 5時40分に日の出
大天井岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
大天井岳から見た立山、剱岳
大天井岳から見た後立山
大天井岳から見た後立山北部
大天井岳から見た北信の山々
大天井岳から見た奥日光、足尾山塊の山々
大天井岳から見た八ヶ岳
大天井岳から見た南アルプス
大天井岳から見た硫黄尾根
大天井岳から見た赤岳 大天井岳から見た三俣山荘
大天井岳から見た水晶岳、薬師岳 大天井岳から見た槍の穂先
名残惜しいが下山開始 山頂のダケカンバの色付きはこの程度
クロマメノキは紅葉していた 大天荘
テントは全て撤収済み 東天井岳に繋がる稜線
ウラシマツツジの紅葉 日影には霜が残っていた
大天井岳を振り返る クモマスミレの紅葉
東天井岳に立ち寄る 東天井岳山頂
東天井岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
次は横通岳に立ち寄る 登りに1人、下りが2人いた
涸沢。まだ午前9時前だが多数のテントが見える。昨日から張られたものだろう
あれが横通岳山頂 横通岳山頂
横通岳岳から見た360度パノラマ展望(クリックで拡大)
いつのまにか山頂標識あり 横通岳岳から見た常念岳
常念小屋を見下ろす 横通岳まで来ると大天井岳では見えなかった御嶽、乗鞍が見える
縦走路に合流 大天井岳方面/常念乗越方面に向かう登山者
一時的に森林限界を割る 再び森林限界に
テント場。まだ数は少ないが今日は満杯だろう
常念乗越
一ノ沢へ下る ナナカマドの紅葉
カニコウモリの花が終わると綿毛になるとは初めて知った 最終水場。賑わっていた
胸突き八丁。真昼間なので下りの登山者も多い 古池
山ノ神 林道終点。下山者を待つタクシー
駐車余地到着


 10月のスタートは週末で、久しぶり、いや、下手をするとこの夏(もう秋か)初めての土日とも好天の予報が出た。長時間の晴れが期待できるので長時間かかるコースに挑戦することにして、今年初の大天井岳に向かうことにした。想定では登りの所要時間は約5時間であり、今の時期の日の出はAM5時半過ぎであることから出発は午前0時半として山頂でご来光を見ることにした。起点はいつもの一ノ沢である。いつもの時間に自宅を出発すると睡眠時間が3時間を切ってしまうので、1時間ほど早く会社を退社した。

 金曜夜に一ノ沢林道に入ると林道脇の駐車スペースに既に何台も駐車しているのが見られた。金曜日も好天であり、休暇を取って入山している登山者がかなりいることが分かった。いつも使う駐車余地には2台の先客ありで、これも今年初の事態。おそらく今年で一番の入山者の多さだろう。駐車余地の端に駐車して酒を飲んで寝た。

 計画通り午前0時に起床し、飯を食って0時半に出発。今週末は大陸育ちの移動性高気圧に覆われているので、乾いた空気で頭上は満天の星空。気温も低めで出発時は長袖シャツとウィンドブレーカを着た状態からであった。これは今シーズン初めてである。今回は往路ではほとんど汗をかかずに済みそうだ。

 林道終点から沢沿いの登山道へ入り、いつもと同じペースで歩き続ける。私の場合、大滝でちょうど1時間経過で、胸突八丁入口で2時間、そして常念乗越で3時間である。高度が上がると明らかに気温が低下するのが肌で感じられるほどであり、途中から毛糸の帽子を被って防水防寒手袋を着用した。

 前回、一ノ沢から常念岳に登った時には雨に降られて登山道は沢になっていたが、今回は水の量はかなり減って歩きやすくなっていた。それでも登山道に水が流れる箇所では乾いた石の上には先行者の靴の跡が残っており、私よりも早く出発した人がいたようだ。しかしその登山者のライトの光を見ることは最後まで無く、私が無休憩で歩いてこれなのだから先行者はもっと速かったようだ。時間差にして少なくとも30分以上はずっと離れていたはずだ。

 最終水場で水を補給したが、今回は最終水場から大天井岳を往復する間に水は飲まなかったので無駄になってしまった。ジグザグに樹林帯を登って常念乗越に到着するとまだ常念岳に登っている登山者の光は皆無だったが、テントの住人は既に動き始めていた。鞍部でもほぼ無風でありテント生活は快適であっただろう。ただし気温はこの時期らしく冷え込んでおり、おそらく+2,3℃といったところであろう。常念乗越からは北穂高小屋の光が見えていた。

 いつもとは逆に右に曲がって大天井岳方面へ。先行者の光は皆無であり私が今日の先頭らしい。僅かな距離だけ低いシラビソ樹林帯を歩いて再び森林限界を越える。右手には松本市街地の夜景。頭上は満天の星空。西の空に見える明るい星はおそらく木星であろう。ハイマツが朝露で濡れていないか心配であったが乾いていた。このルートでは2640m鞍部の大天井岳側で登山道にハイマツがはみ出しているので、ハイマツが濡れていると厄介である。

 横通岳への急な登りが終わればしばらくはなだらかな巻道が続く。左手の槍〜穂高方面には数か所の光が見えているが、位置関係からして涸沢、穂高岳山荘、北穂高小屋、槍ヶ岳山荘であろう。時刻は午前4時、真夏なら明るくなり始めてライト不要な明るさになる時刻で歩き始めている登山者もたくさんいる時間帯だが、今の時期は日の出まで約1時間半ありまだ真っ暗で、大天井岳方面の縦走路には登山者の明かりは見られなかった。

 2640m鞍部を通過してハイマツのはみ出す登山道を進んで登り返しにかかる。ここで今シーズン初めて霜が降りているのに気付いた。アルプスで10月まで霜を見なかったのは珍しいかもしれない。霜柱を見たのも今シーズン初であった。

 東天井岳への登りで後方に登山者の光がやっと見えたと思ったらあっという間に差が縮まった。異常な早さだと思ったら追い越していったのはトレランナーだった。僅かな時間差で2名に追い越されたがパーティーだろうか。東天井岳南の2770m鞍部を通過した先でもう1名のトレランナーに追い越されたが、今日は大会か何かでもあるのだろうか? 真っ暗闇の中でトレランナーに追い越されたのは初めてだし、しかも3名もいたのは不自然な気が。それとも3名はパーティーだったのだろうか。もしかしたら私が追い付けなかった先行者の足跡もトレランナーだった?

 旧二俣小屋跡の石垣を通過して気温の低下で歩いていても寒さを感じるようになったので、上半身には長袖シャツとウィンドブレーカ、それに今シーズン初のジャンパーを着込む。面倒だが登山靴を脱いで半ズボンから長ズボンへと変身。これで快適になった。おそらく気温は0℃を少し上回る程度であろう。今シーズンは山の上もずっと気温が高かったので、この時期らしい気温でも寒く感じる。

 午前5時を過ぎると東の空が赤くなってきて5時15分頃からやっとライト不要な明るさになった。東の空は雲海が薄く浅間山と四阿山がシルエットで浮かび上がっており、その真ん中の鳥居峠には見慣れた奥日光〜足尾山塊の山々がはっきりと見えていた。さすが秋の乾いた空気で視程は良好だ。

 中天井岳を回り込めば大天荘の明かりが目に入る。テントは数張程度かと思いきや、30張近くあってびっくり。もしかしたら常念小屋よりも多いかもしれない。稜線上には日の出を見ようとたくさんの登山者が東の空を見ていた。時刻は午前5時25分なので日の出まで10分強だろうか。これなら大天井岳山頂で日の出を拝めそうだ。

 大天荘の横を通って岩だらけの平坦部を通過して約1年ぶりの大天井岳山頂に到着。ここでも日の出を待つ人が多数いた。その日の出は午前5時40分に浅間山のすぐ南側の雲海から。奥日光の連なる鳥居峠方面には雲海は見られないが浅間山より南側は雲海。雲海がかかっているのは佐久盆地だろうか、西上州の山々は雲に覆われて見えなかった。安曇野には雲海は無く、今日は北信、志賀高原、八ヶ岳、南アルプスとも良く見えていた。当然ながら近場である北アルプスも雲無しでずらりと並んでいた。常念岳から見ると日光白根〜袈裟丸山にかけてが鳥居峠越しに見えるが、大天井岳からだと日光白根は四阿山よりも北側に見えていた。そして常念岳からは見えなかった赤城山が見えていた。残念ながら尾瀬の山々は横手山周辺の2000mを越える稜線でブロックされて見えなかった。それでも越後三山の越後駒ヶ岳、中ノ岳は志賀高原の上に頭を見せていた。

 肉眼では判別できないがデジカメのズームを最大にすると槍の穂先に数人の登山者が確認できた。これだけ天気がいいと明日の槍は大混雑しそうな。同じくデジカメズームで三俣山荘、水晶小屋が確認できた。

 大天井岳山頂には入れ代わり立ち代わりに人がやってきては写真撮影して下っていった。人が少ないタイミングでスマホで写真撮影を頼まれてついでに立ち話。1名はトレランナーで私とは逆方向の燕岳から上がってきた若者がいた。本当は槍ヶ岳まで登る計画だったが、あまりにも眠いので今日はここまでとのこと。この話を聞いて暗闇の中を私を追い越していった3人のトレランナーはもしかしたら槍ヶ岳日帰りだったのかもと考えるようになった。そうならばあの時間であの場所は十分に考えられる。まあ、一ノ沢や中房温泉から槍ヶ岳の日帰りなんて健脚登山者でも考えることはないだろうが。その他にもこれから槍ヶ岳を目指す普通の登山者もいた。明日も好天予報なので槍のてっぺんで大展望を楽しめるだろう。

 今日は何だかんだで珍しく山頂で2時間以上も滞在となった。いつもの常念岳と違って大天井岳は滅茶込みすることは無かった。山頂から周辺の紅葉の様子を見たが、この標高でもまだダケカンバは薄っすらと黄色くなり始めた程度で紅葉のピークはまだ先の印象。これだと紅葉の名所である涸沢はまだまだであろう。これからよほど気温が下がらないと来週の体育の日の3連休では紅葉の進みはイマイチだろう。

 午前8時前に下山開始。天候は安定してガスが上がってくる気配はなし。完全に秋の気候だ。おそらく気温はまだ1桁だと思うが直射日光が強いので寒さは感じない。日焼け防止のために麦わら帽子を久しぶりに被った。これで顔には直射日光は当たらないはずだが、地面からの照り返しで少し日焼けしてしまった。

 常念岳や大天井岳からだと涸沢カールの底は見えないが、東天井岳付近まで南下すると見えるようになる。ただし遠いので肉眼では涸沢ヒュッテの赤い屋根しか見えないが、デジカメのズームで撮影したら大天荘とは比較にならないほど多数のテントが写っていた。しかし今日の午後にはさらにテントの数が増えていることだろう。  帰りは山頂からのパノラマ展望写真撮影のために東天井岳、横通岳に立ち寄った。最初の東天井岳には砂の上に真新しい足跡が残っていたが山頂は無人であった。縦走路から横通岳への踏跡に入ると先を登っている単独男性の姿あり。逆に下ってくる2人組とすれ違い、大半の登山者は縦走路で山頂を巻いてしまうが、今日は思ったよりも訪問者が多いようだ。

 先行する男性を山頂手前で追い越して横通岳山頂に到着。すぐ後に到着した男性とはしばし立ち話。名古屋からやってきたとのことで、私と同じく一ノ沢から大天井岳往復とのことだった。常念乗越方面からは男女2人組が登ってきて、少しお話してから大天井岳方面へと進んでいった。

 ついつい話が長くなってしまい、1時間近く山頂に滞在してから出発。常念乗越までの間では下る人、登る人双方がいた。常念小屋のテント場は往路とは違ってかなり数が減っていたが、今日の夕方は満杯になっていることだろう。常念乗越は賑わっていて常念岳に登っている多数の登山者の姿が見られた。さすがに大天井岳方面よりも格段に多かった。

 一ノ沢へと下っていくと登りの登山者と次々とすれ違う。ただし時刻は午前10時半を過ぎて登山者が上がってくるピークの時間帯を過ぎたようで、いつもの週末の午前8時9時よりは人数は少なかった。その代わりに下山方向の人数はいつもは数人程度なのが格段に多く、かなりの人数を追い越した。

 最終水場までのシラビソ樹林帯のカニコウモリの花は綿毛に変わっていた。最後はこんな風になるとは知らなかった。種は風に乗って飛ばされるのだろう。稜線上の落葉樹は紅葉し始めていたが、シラビソ樹林より下の広葉樹林ではまだ紅葉の気配はなし。

 最終水場では多数の登山者が休憩中。当然ながら登りの登山者であろう。樹林帯まで高度を落としても気温の上昇はそれほどではなく、日陰に入って逆に涼しいくらいだった。大汗をかくことはなかったので今回は水浴びはしなかった。

 林道終点に到着すると下山者を待つタクシーが2台止まっていた。その後も迎えのタクシーが上がってきて、下山の時間帯だったことが分かる。時刻はちょうどお昼頃だった。駐車余地には出発時より車が一台増えていたが、出発時にあった車の1台はいなくなっていた。濡れタオルで軽く汗を拭いて車に乗り込むと、公式駐車場近辺の路上にはたくさんの車が路上駐車しており、今日の登山者の多さを物語っていた。

 

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